住宅ローンの支払いが滞ってしまった場合の処理手順
住宅ローンの支払いが滞ってしまった場合、どのようなことが起こるのでしょうか。
具体的な流れを説明します。
まずは、支払いが滞ってからどういう手続きが行われるのかをご紹介いたします。
①督促状が届く:住宅ローンの支払いを滞納すると、金融機関から1ヶ月から2ヶ月程度経過した後に督促状が送られてきます。
督促状は、支払い期限を過ぎても支払いが確認されていない場合に送られる書類で、支払いを促すためのものです。
督促状が届いた場合、未納分を支払えれば大きな問題にはなりません。
②ブラックリストに登録される:支払いが3ヶ月程度経過してしまうと、信用情報機関のブラックリストに登録されます。
ブラックリストに登録されると、新しい住宅ローンを組むことができなくなるだけでなく、クレジットカードの申し込みもできなくなってしまいます。
③一括での支払いを要求される:さらに滞納が続くと、金融機関から契約の継続ができないと判断され、一括での支払いを要求されることになります。
しかし、本来なら継続的に支払いが滞っている場合、一括での支払いを即座に行うのは難しいものです。
この状態では、法律によって支払い期限の猶予がなくなり、住宅ローンを借りた本人から保証会社へ支払い義務が移されます。
つまり、保証会社が代わりに残りの住宅ローンを支払ってくれるのですが、返済義務そのものは消えない点に注意が必要です。
支払い先は保証会社へ切り替わるということになります。
参考ページ:名古屋市で住宅ローンの支払いが滞った不動産を売却する方法は?
住宅ローンを滞納している不動産の売却方法
競売と強制退去の手続きについて詳しく説明します。
住宅ローンの返済が滞り、保証会社への返済も1ヶ月遅れてしまった場合、競売の申し立てが行われる可能性があります。
競売では、まず家の査定が行われ、その情報が裁判所のホームページで公開されます。
この公開から2週間後に競売が開始され、買い手がつけば約1ヶ月で強制的に退去させられることになります。
なお、引っ越し費用は自己負担になります。
競売にかけられると、通常の相場価格の6割から7割程度で売却されます。
もし競売で売却した額でも住宅ローンを完済することができない場合、その差額の返済責任は残ってしまいます。
したがって、住宅ローンの滞納が進んでいる場合、早急に対策を講じることが重要です。
具体的には、以下のような方法があります。
1. 銀行との交渉: 銀行と話し合い、返済期間の延長や元利均等返済への変更などを提案することで、返済の負担を軽減することができる場合があります。
2. 売却先の探索: 自力で買い手を見つけ、不動産を売却することで、住宅ローンの未完済額を手放すことができます。
不動産会社や専門の売買斡旋業者の協力を得るのもおすすめです。
3. 任意売却: 自分で売却先を見つけることが困難な場合は、売却媒介契約を結んだ不動産会社に任せて売却を行うこともできます。
ただし、任意売却でも売却価格が借入残高を下回る場合には、差額の返済責任が残ることに注意が必要です。
4. 個人再生や自己破産など法的手続きによる債務整理: 最終手段として、債務整理を行うことも検討する価値があります。
ただし、債務整理を行うと信用情報に悪影響が出るため、将来的な借り入れに制約が生じる可能性もあります。
以上の方法を適切に活用することで、住宅ローンの滞納問題を解決し、競売や強制退去といった厳しい状況に陥ることを回避することができます。
重要なのは、早めの対策と、適切な専門家の助言を受けることです。