一頭の馬のアメリカ競馬への挑戦

プリークネスステークスを終えて、ベルモントパーク競馬場に戻ってきたラニと陣営は、最後の戦いに向けて、早くも準備を開始した。
日本の競馬って、いつもヨーロッパに遠征に行くことだけが話題になりやすく、アメリカ競馬はほとんど話題になりません。
それは、アメリカの土が日本のダートとは全く異なり、その競馬内容も異なることから、日本馬は敬遠している経緯もあります。
そんな中、今年、一頭の馬が果敢にアメリカのレースに挑戦をしました。
その名も「ラニ」。
アメリカ3冠、特に3戦目はそんな中でも勝利の確立が高いレースでした。
レースは2冠目から中2週となるベルモントステークス。
ラニはアメリカ滞在で、調整していました。
追い切は素晴らしい動きを披露し、期待の持てる内容でもありました。
私もチャレンジする馬というより、その愛嬌が気に入っていたのですが、現地でも、新聞などでもユニークな風刺画も多く描かれ、いろんな意味で恐れられていたみたいです。
実力も話題性も兼ね備え、まさにアイドルホースという感じですね。
ベルモントステークス当日の天気は曇り。
騎手の武豊騎手は落ち着けることに全力を注ぎ馬場入り。
この様子をずっとネットTVで見ていてこちらの方が緊張してしまいました。
リッドキララの評判をチェック! ラニ自身は今までで一番落ち着いているように見えました。
そしてスタート。
ラニは、今までで一番いいスタートを切り、その後いつものように後ろに下げるがそこは長丁場。
流れに乗ると、序盤から隊列についていくことができていました。
そして半マイル通過あたりから、ラニの進出が徐々に始まる。
まずは向こう上面中ほどで、後方2番手から中団まで押し上げ、3コーナーにかけて4番手を走るエグザジェレイターの直後まで押し上げた。
ですが、直線に向くと、ラニは失速。
現地の実況が叫んでいましたね。
この言葉に震えが止まらないままレースは終わってしまいました。
武豊騎手は「いい競馬はできた。
もう少しだった」と悔しさも滲ませ、テレビのこちら側でも満足感半分、悔しや半分の状態。
ですが最後の最後まで、夢を見させてくれましたし、その大きな夢を、あと1馬身半で手が届くところまでいった、ラニのとてつもない底力に、感動しました。
馬の楽しさを味わえた一瞬でした。